茶席の着物

参考にしてくださいね。 :世界文化社「茶席と着物とマナー」三田村環著:参考にしました。

着物
1月 、松の内は紋のある着物が正式です。
初釜には訪問着、付け下げ、無地、紋は一般的には一つ紋。
生地は光沢のある綸子、緞子、縮緬。
地紋はやや大きめの本紋、吉祥紋の中から。
模様は吉祥文様、御所解文様、有職文様など。
は新春にふさわしいピンク、ブルー、薄紫、クリーム、ベージュ、若草色、グレーなど明るめの薄色。
唐錦、糸錦、箔錦、箔一丁、佐賀錦などさまざまな錦があり主に袋帯です。
は名物裂写、能装束写、吉祥紋様、有職文様など格調の高いもの。
金銀糸や色糸の入った帯で、豪華で上品な組み合わせを楽しみます。
2月 袷、 生地は、綸子、紋意匠、縮緬、紬。
地紋は小柄な吹雪、霰、青海波、道長、小唐草、亀甲、色紙など。
紬は、白山紬や大島紬の染め紬が趣き深いです。
は紺、赤紫、こげ茶、墨、蕨緑、黄土など落ち着いた色。
昼夜帯(表裏色違い)、染め名古屋帯に早咲きの春の草花など。
3月 生地は綸子、縮緬、緞子、紬など<春らしい柄。
縮緬は一越縮緬、変り縮緬などしなやかなもの。
は胡粉を混ぜたような薄色で、小豆、鼠、桜、菜の花色、若草、水色など。 模様は春ぼかしと言われるように、ぼかし染め。無地の紋付など。 利休忌には控えめな装いがいいです。
袋帯、ひかえめに装うときは名物裂を用いると、品よくおしゃれです。
茶席で目立つものは、諸道具の次に主客の帯です。
無地の着物には上等の帯を装いのポイントとします。
4月 生地は光沢のある綸子、緞子、紋意匠が中心。
一般には軽い訪問着、付け下げ。
は紫、薄紅、水色、墨色、薄茶、薄緑など薄色が中心。
着物と帯のトーンを揃えるとまとまりがいいです。
春の柄を手書きであしらった塩瀬帯、箔錦に花を描いた染め帯。
織り帯なら箔一丁の単彩。金箔、白金箔の錦など。
辻が花の絞りの帯を紬の着物に合わせるのも、よいです。
5月   生地は一越縮緬、変り縮緬、地紋のあるものなら紋意匠、綸子は流水、波、御所解きなどさわやかな文様。
は中間色の明るいもの。 染め模様なら初夏に咲く花、常盤木、風景、ぼかし染めなど。 初旬は袷ですが中旬からは胴単衣や絽や紗の袷など着ます。
錦織の袋帯春と同じ素材が使われます。
色や柄は夏が近づいているということを感じさせるもの。
単彩、箔錦など。 塩瀬羽二重や縮緬の染め名古屋もいいです。 絽や紗の袷には夏帯の中から地厚なものを選んで。
6月 単衣に変わります。透けない着物(一越縮緬、紬、御召)と 透ける着物(絽縮緬)があります。今は変り縮緬や駒撚りの絽。
は桔梗の紫、アザミの赤、藍、利休鼠など寒色系の濃色。白っぽい色も着ます。
は露草、糸ススキ、百合などの季節の花や涼しげな風物がいいです。
透けない帯地(綴帯、塩瀬、紬名古屋)は透けない着物、透ける帯(絽綴、絽染め名古屋、絽・紗袋帯)には透ける着物が基本。
中旬以降は透けない着物に透ける帯もいいです。
は季節の花や有職柄など。
7月 単衣と薄物。昔は6月と同じ着物を着て、梅雨明けてから平絽(現在の駒絽より薄手)土用のなると麻を着たそうです。
現在は10日ごとに衣更えせず、7月の始めから着てよいそうです。
模様は夏草、水模様など。
もさっぱりとした白、濃紺、薄鼠、水色。
紗や絽の袋帯が締めやすいです。
は白が人気、その他黒、えんじ、茶、抹茶色、藤色。
も夏草や夏の風物が多い。
絽や紗の染め名古屋に無地の着物がいいです。
8月 絽、紗、麻の薄物を着ます。初旬は土用の内なので麻(越後上布、小千谷縮、能登上布などの染物)。
は白地が涼しげですが立秋を過ぎると濃色が涼しく見えます。 絽や紗の絹類も同じです。
は秋草が最も多い。
麻には麻の帯、絽には絽、紗には紗の袋帯、羅の袋名古屋帯や絽の染め名古屋帯をします。
9月 薄着と単衣を着分けます。初旬は薄着、絽です。9月9日ごろから単衣(越縮緬、変り縮緬、紋意匠など)光沢の強い綸子はこの時期さけます。
は紺、薄墨、朱、黄土、淡茶、など黄色を帯びた色が調和します。
は秋草、虫かご、笛など秋模様。
絽綴が最適です。薄物には絽や紗の袋帯を7,8月と同様に用います。
単衣の着物に絽綴もいいです。ただし下旬には錦織り、綴帯、紬帯に変えます。
色は中濃度の落ち着きのある物。着物と濃淡でまとめるといいです。
10月 この月から初袷です。綸子、地紋の美しい光沢のあるものが好まれます。縮緬もいいです。
は落ち着きのある朱、茶、黄系統、墨色、小豆色など。実の色も人気。
は圧倒的に菊が多く、経巻(たてまき)宝尽し、有職文など格調の高いもの。
塩瀬月ともいわれ袋帯、名古屋帯とも染め名古屋帯をします。織り名古屋帯、錦の袋帯なら軽めのもの。
は名物裂写、能装束写など。
11月 生地は地紋のある綸子、緞子、紋意匠など。
地紋は沙綾形、菊、更紗華紋、梨地、古代裂写など重みのあるもの。
は黄土、ベージュ、枯葉色、抹茶色、朱色、えんじ、グレー、紺など。
模様は秋の花や実、木の葉、絵巻模様。
特に口切の茶事は新年と同じですから紋付訪問着など正装で。
唐錦の華やかな袋帯。狭いお茶室には大きい柄向きません。
柄は能衣装写、有職模様。染め帯なら秋の茶花など。
12月 。地紋のあるものなら紋意匠、梨地、紗綾形、むじな菊、唐草などの小柄で光沢の少ないもの。一越縮緬、変り縮緬。
模様は江戸小紋の義士小紋や家内安全など。はグレー、紫栗色、小豆色など彩度を抑えた色合い。
紬は茶席に入る時は無地か染め紬。絣は水屋挨拶まで。
年の瀬は簡素な色柄で。
袋帯、名古屋帯、昼夜帯いずれも豪華さを強調した物でなく、漆箔、金銀箔を使ったものは光沢を押さえ単色がよいでしょう。
軽い小紋なら紬の帯もいいです。
柄は正倉院文様、唐草文様、更紗など。渋めにまとめます。